わた毛がフワフワ飛んでいる。
最近、仕事でオノマトペが使えないことによるダメージ?を感じることが多くなってきたので、それについて書いてみたい。
オノマトペとは?
オノマトペとは、自然の音や生き物の声、またはその状態を言語音で表現した語のことで、「実際に音が出るモノ」を言葉で表したもの。
日本人はこのオノマトペを特別意識することなく、自然に日常で使っている。
フワフワ、ワクワク、ドキドキ、ゴロゴロ、ぴちゃぴちゃ、カンカン、トントン。。。もう挙げだしたらきりがないくらい。。。
英語にオノマトペってあるの?
英語にもオノマトペは無いわけではない、のだが日本のオノマトペの方が比較にならないぐらい種類が豊富である。
例えば英語では、猫の鳴き声 → meow(ミアゥ)、犬の鳴き声 → ruff ruff(ラフ ラフ)のような感じ。
英語のオノマトペの方が、実際の音を直接的に表現しているように感じる。実際に声に出してみると、近い音がするのだ。
例えば、日本では犬はワンワンだけれど、実際にワンワンと言っているようには聞こえない。一方で、ruff ruff と声に出してみると、犬の鳴き声そのものにちょっと近い気がする。
仕事で役に立っていたオノマトペ
音響関連の仕事柄、音響デバイスが発するノイズ(雑音)が仕事で問題になることがしばしばある。
ひとくちにノイズといっても、実はいろいろな種類がある。日本で仕事をしていたときはそれらのノイズを例えば次のように表現していた。
- チリチリ音ノイズ
- パスパス音ノイズ
- サーサー音ノイズ
- プチプチ音 ノイズ
- ジャリジャリ音 ノイズ
これらノイズの特徴を表すオノマトペの威力は凄い。このノイズを実際に耳で聞いたことが無い人でも、オノマトペを聞いただけでなんとなく想像がつくのである。
そして、「あのチリチリ音ノイズの件ですが・・・」と言うだけで、何のノイズの問題のことなのか、その場にいる全員が一瞬で同じイメージを持つことができる。話がスムーズに伝わる。
オノマトペを使えないアメリカ・・
これらの表現を使うことの凄さは、日本にいたときには気が付かなかったが、ここアメリカではノイズの種類を伝えることの大変さを身をもって知ることになる。
こちらでは、多くの人がノイズの種類を伝える時に、そのノイズそのものを口で真似ようとする。そう、チリチリとかプチプチとか、便利なオノマトペが無いからである。 しかし、すべてのノイズを口で真似られるわけではないし、人によってその真似の仕方に差がある。
あるいは、ホワイトノイズの高い周波数帯域だけのノイズ、とか、ポップコーンが弾けているときのノイズ、、という説明をつけなければならない。 しかし、ポップコーンが弾けているときの音なんて、人によって受け止め方は千差万別で、同じイメージを持てるかどうかは難しいところだ。
そうすると、今何の種類のノイズの話をしようとしているかの共有が難しいのである。今日の議題のノイズは、これこれ、このノイズだ、ということをちゃんと定義して説明して共有しなければならない。 共有できたと思っていても、頭では違うノイズのことを思っていたりして、話が進まないことも多々ある。
日本だったら、「プチプチ音のノイズ」というだけで一瞬でその場で認識を統一できる。意識せず使っていたが、これは日本人が持っている特殊な感覚を最大限に活かしていた事例だったのだと、ここアメリカに来て初めて感じることができた。
オノマトペを使いこなす日本人、これはもっと誇りに持つべきだと強く思うようになってきたこの頃である。