グリーンカード取得までの道のり
ついに、念願のグリーンカード(アメリカ永住権)を入手しました! 申請の準備を始めたのが2022年4月で、承認されたのが2024年3月。ということで丸2年かかりました。 この2年の間、さまざまなことで一喜一憂しながらの毎日でした。 幸運なことに、私が勤めている会社は、ビザや永住権取得をとても積極的にサポートしてくれたので、本当に助かりました。 すばらしい移民弁護士を雇ってくれて、その弁護士と相談しながら二人三脚で取得を目指すことができました。 そして、取得にかかる費用、弁護士費用等はすべて会社が負担してくれました。本当に感謝でしかありません。 とにかく、無事に入手できてホッとしています。そしてこの申請をサポートしてくださった多くの人に感謝したい気持ちでいっぱいです。
グリーンカードを入手するまでの過程は人によって本当に様々です。 ここでは、私がカードを取得するまでにたどった過程について、まだ新鮮なうちに書き残しておきたいと思います
大まかな全体のタイムライン

グリーンカードって何?
グリーンカードは、米国で永住権を持つことを意味します。なぜグリーンかというと、初期のカードが緑色だったことに由来するようです(現在は白色)。 永住権を持つと、アメリカ出入国が自由になり、滞在に制限がなくなり、職業が自由に選択できるようになります。 米国人とほぼ同様の恩恵を享受できることになります。
グリーンカードを取得する方法 主に4つ
- 米国籍を持つ人と家族になる: アメリカ国籍の人の配偶者、子供など
- DV抽選永住権に当選する: ただし、当選確率は約0.5%。。宝くじみたいなもの。
- 米国への投資: アメリカ国内の企業等に一定額投資することで永住権を得られるプログラム。 最低でも50万ドル以上の投資が必要。
- 自己の才能や能力を活かして申請: 科学、芸術、スポーツなどの分野で優れた才能を持っていることを証明する
私が選んだ道
永住権を取得する方法は上に挙げたように複数ありますが、私のようにエンジニアとして米国企業で働いている場合は、4. の自己の才能や能力を活かして申請 を選択することになると思います。 4.を選択する場合、その中に更に以下のようなカテゴリが存在します。
EB-1:卓越した能力の持ち主。科学、芸術、スポーツなどの分野で世界的に並外れた能力を持つ。
EB-2:学術的に優れた才能の持ち主。その雇用がアメリカの国益になる。
EB-3:技術人材。熟練労働者、専門家など。米国内に代わりとなる労働者がいないことを示す。
この中で私は、EB-1(EB-1B)と、EB-2 NIW のカテゴリを経験することとなりました。
EB-1Bでの挑戦
EB-1Bは、卓越した研究者や教授向けのビザで、特定の業績や賞、学術誌への貢献などを証明する必要があります。具体的には、下記6項目のうち2つ以上を証明する必要がありました。
- 優れた業績に対する主要な賞や表彰を受けたことがあること
- 優れた業績を証明することを会員に義務付けている団体の会員であること
- ある学術分野において申請者の業績について他者より専門誌に掲載されたことがあること
- 同じ学術分野または関連する学術分野の他者の業績について、審査員としてパネルまたは個人で参加したことがあること。
- その分野における独創的な科学的または学術的研究の貢献していること
- その分野における学術的な書籍や論文(国際的に流通している学術雑誌に掲載されたもの)の著者であること
一応目安としては、これまでに論文10本以上、引用数100以上、推薦5通以上、という感じのようです。 私は、O-1ビザを取得していたので、条件的には問題なさそうということを弁護士と相談して、このEB-1Bで応募することに決定しました。
しかーし、しかしです。。
EB-1Bで申請した1ヶ月後、早くも 却下 のお知らせが ToT。 却下通知に書かれていた却下理由は以下の通り。。
- 基本的にEB-1Bの条件を満たしていることは認める。
- しかし、あなたはアメリカに利益をもたらしそうにない。だから却下。
おーーーい、、利益もたらしそうにないって。。流石に凹む。。ToT
移民弁護士さんに調べてもらったところ、私の書類を担当した審査官は、過去に申請されたI-140をことごとく却下しており、、つまり基本的に移民に反対しているような審査官だった様子。 もうこれは運が悪いと思って諦めるしかなかった。 移民弁護士もかなりこれには非常に怒っており、抗議の連絡をしてもらいました(後の応募者のためにも)。
EB-2 NIWへの転換
EB-1B却下後、私は弁護士と相談し、EB-2 National Interest Waiver (NIW) に切り替える決断をしました。 EB-2での申請は、EB-1より多少ハードルが低くなるものの、それでも難しいことに変わりはありません。 このビザは、米国の国益にとって有益な才能や能力を持つ個人に与えられるもので、NIWで申し込みをすると労働許可証の発行免除が可能となります。 労働許可証にはかなりの時間がかかるので、これがいらないとなると時間短縮を見込めます。 しかし、申請者の能力がアメリカに利益をもたらすことを証明する必要がありました。 そのために、推薦状を、アメリカ国内で活躍している研究者に書いてもらうことにしました。といってもアメリカに来てまだ1年で、推薦状を頼めるほどの知り合いは多くはいませんでした。
2022年の7月に却下されたのですが、8月に運良く私の業界で大きな国際会議が開催され、そこでちょうど私が学会発表を行うことになっていました。 そこで、その学会期間中に、業界トップクラスの研究者やエンジニアと交流し、私のグリーンカード申請のことを話し、研究内容を紹介した上で、推薦状を書いてもらうようにお願いしました。 その結果、なんと5人のつながりを学会で得ることができました。ここはちょっと頑張りました。
学会が終わってから5人とメールでやり取りしつつ、推薦状を書いてもらい、サインをもらって、すぐに申請しました。
グリーンカード取得までに踏んだ具体的な手順
グリーンカード取得に必要な書類は大きく分けると2つです。
1. I-140:グリーンカード取得資格の申請「しっかりとした仕事をしている人か?」
2. I-485:実際のグリーンカード取得申請「ちゃんとした人なのかどうか?」
グリーンカード取得資格の申請(I-140)
- ざっくりいうと、「しっかりとした仕事をしている人か」を審査するもの
- グリーンカードの取得に値する資格があるかどうか
- I-140という形式の書類の申請を行う
- 自分の場合は、移民弁護士さんに作成してもらった
- 申請書類
- Pettition Letter(100ページ以上)
- 推薦状5通
- 自分の論文リスト、引用回数
- 特許リスト
- 新聞やプレスリリースなど、自分の業績を紹介している記事
- 学会発表リスト
- 査読依頼のメールのコピー
- 国際会議をオーガナイズした証拠
- Recommendation Letter (推薦状)
- 申請者がいかにその分野で優れているのかを、同一もしくは関連分野の第三者の方に説明してもらうこと
- この作業が多分いちばん大変。
- 推薦状を書いてくれる推薦者は多様である方が望ましい。
- できれば日本人以外の人に書いてもらうことが望ましい(国際的な評価が高いことを証明するため)
- 推薦者
- 同じ学会の分野で活躍している知人、大学の教授
- 仕事でやり取りした海外のエンジニア
- 推薦状にサインして返してもらう
- Pettition Letter(100ページ以上)
実際のグリーンカード取得申請(I-485)
- ざっくりいうと、「ちゃんとした人なのかどうか」を審査するもの
- 本来は、I-140の申請が承認されてから、I-485の申請を行う
- I-485の審査が始まると原則アメリカ国外へ出ることはできない
- しかし、I-140とI-485を同時に申請することもでき、自分はこれで申し込んだ。(Concurrent filing)
- Concurrent filing のメリット
- 時間が大幅に短縮できる。(I-140が承認されるとすぐにI-485の審査が開始する)
- Concurrent filing のデメリット
- もしI-140が却下されると、I-485も自動的に却下となる
- 申請料 $3,000が水の泡に
- I-485が却下されたという不名誉な記録が残る
- もしI-140が却下されると、I-485も自動的に却下となる
- Concurrent filing のメリット
- I-485の申請書類
- パスポートサイズの写真
- 翻訳付きの戸籍抄本(婚姻証明用)
- これまで受け取ったすべてのI-797 approval noticeのコピー
- 前回入国時のI-94のコピー
- 健康診断の結果
Employment Authorization Document: EAD の申請(I-765)
- I-485の申請と同時に実施
- I-485申請中に永住権を持たない外国人が法的にアメリカで働くことを許可してもらう申請
- 正式にグリーンカードが届くまでのつなぎ
- 承認されると、EADカードが届く
- 家族の分も申請できる
Advanced Parole:AP の申請(I-131)
- I-131は、グリーン・カードが手元に届くまでの間(I-485申請中の間)、その申請状態を維持したままアメリカへの再入国を許可してもらうための申請
- EADカードが手元に届いた後、グリーンカードが手元に届くまでの間、アメリカ国外への出入国が可能となる
グリーンカードをスムーズに取得するために
とにかく会社がすべてサポートしてくれたのが大きかったです。非常に優秀な弁護士を雇ってくれて、取得に関する相談や面倒な書類作成等、すべてやってくれました。もう感謝でしかありません。 サポートをどのぐらい本気にしてくれるかどうかは会社によるようです。私はとにかくラッキーだったと思っています。
I-485の申請を開始すると、アメリカから国外に出ることができなくなります(正確には、国外には出られるが再入国できない・・)。 海外の出張も行けなくなるし、日本への帰国もできなくなります。 帰国の必要がある場合は、I-485申請前にする必要があります。 一応、Advanced Parole の承認が下りれば、国外に出ることは可能になりますが、弁護士からはよほどの理由が無い限り、グリーンカード取得するまで国外に出るのは辞めた方が良いとアドバイスをもらっていました。 ですので、私はこの3年間一度もアメリカから出ていません。
EB-1、EB-2での申請は、推薦状の準備が鍵となります。自分の分野で優れた業績を上げていること、そしてそれが米国にとって価値があることを、第三者によって認めてもらうことが求められます。 国内の学会や、国際会議でのネットワーク、海外企業のエンジニアとのやりとり等が、非常に重要であることを思い知らされました。
論文執筆、学会発表、学会の運営、特許出願、受賞経験、新聞やプレスリリースなど、会社外に示せる業績が必要不可欠です。 いくら会社の中で評価されていても、その評価が会社外から見えるようなものでなければなりません。 そして、会社の利益だけではなく、その業界全てに利益をもたらしていることをアピールする必要があります。 そのためには、上に挙げた活動を普段からどれだけ意識して実行できるかがとても重要です。
結論
グリーンカード取得の旅は、確かに困難で複雑ですが、それによって得られる機会と経験は計り知れません。 このブログが、同じ夢を追う人々にとっての指針となり、永住権取得への道のりにおいて直面するかもしれない挑戦を乗り越える助けとなれば幸いです。 永住権を目指す度は、自己発見の旅でもあります。 挑戦の中で自分自身を見つめ直し、成長し、夢を実現するための一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです!
やっぱりベランダBBQは最高♪
渡米1年半での息子の英語力
渡米前は、アルファベットも知らなかった息子。
この1年半の間の彼の英語力の伸びはすさまじい。
気を抜くと家庭の中での会話や、独り言も、英語でしゃべりだす。
不思議なのは、彼の頭の中には、過去形とか過去分詞形とか三単現のSとか、そういう文法的な知識はほぼゼロということだ。
それなのに、ちゃんと過去形とか動詞にSを付けたりしてしゃべっている。
自分が日本語をしゃべるのに、文法のことなど全く考えていないのと同じなんだろう。。
そんな彼に、「日本語と英語しゃべるのどっちが楽?」と聞いたところ、息子は迷いなく、
「英語の方がラク。だって、日本語みたいに一つの意味をあらわす言葉がたくさん無いから。。」
とのこと。
確かに、日本語の「私」を表す言葉は、俺、僕、拙者、それがし、手前、わたし、わたくし、自分・・とちょっと考えてもたくさん出てくる。
が英語で「私」を表す言葉は、I 以外に無い。
ミネソタとビタミンD
そのため、夏と冬の日照時間の差が激しい。
特に冬は、朝8時ぐらいにようやく明るくなり、午後4時過ぎぐらいから暗くなる。
この冬の短い日照時間が原因で、冬の時期に体調を崩したり、気持ちが沈んでしまう人がかなり多いのだそうだ。
日照時間が短いと、体内のセロトニンが活性化しづらく、それによってあらゆる体調不良が起きやすくなるとのこと。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれており、元気にやる気に満ちて日々を送るのに欠かせない脳内物質だ。
そのセロトニンを体内に取り込む時に必要なのが、ビタミンDなのだそうだ。
従って、サプリメントでビタミンDを継続的に摂っている人が、ミネソタには非常に多いと聞く。 そして冬の時期は特にビタミンDの摂取量を増やすのが好ましいとのころ。
自分も、今年の3月ぐらいからビタミンDをサプリで摂取しているが、そのおかげか体調は安定している気がする。
カタカナ外来語に苦しめられる話
仕事でピンセットを使うことがよくあるのだが、移住して1年半経った今日、はじめてピンセットが英語ではないことを知ったという話。
ピンセットは英語?
ピンセットは英語ではない。
もともとピンセットはpincetteというフランス語から来ているらしい。
医療で使われる器具の名称は、フランスやドイツ語が語源となっているものが多いらしい。
ピンセットが英語でないことを知ったきっかけ
それでも、これまで全く疑うことなく、同僚にも「ピンセット貸して!」と堂々と話しをしていた。 いつもジェスチャーを交えて話をしているので、同僚も自分が何を言いたいかを察して、ピンセットを手渡してくれていた。
今日、自分専用のピンセットが欲しくて、ボスに許可をもらってピンセットを購入できることになった。
さて、webでピンセットを探そうとしたその時、ピンセットのつづりが思い浮かばない・・。 pinset? pincet? などと入力してみてもgoogle検索に出て来ない。
まさかと思って、ピンセットの英訳を調べてみると、
tweezers
とのこと。おおーー全く知らなかった・・。。恥ずかしい。。
いや、多分ちゃんと勉強している人は、そんなの当たり前でしょ、っていうかも知れないが。。私は本当に知りませんでした(泣)
外来語が必ずしも英語ではない・・
そう、カタカナの外来語を知っているがために、アメリカで恥ずかしい思いをすることがある。
例えば、車のフロントガラス。Front glass といってもアメリカでは通じない。英語では、windshield。
ウインカーはblinker。
スタッドレスタイヤはsnow tire。
アンケートはquestionnaire。
ペットボトルはplastic bottle。
などなど、挙げ出したらキリがない。。
英語風な外来語が原因で、時々恥ずかしい思いをすることになるのは、きっと自分だけじゃないはず・・。
日本のオノマトペの凄さを感じるこの頃
わた毛がフワフワ飛んでいる。
最近、仕事でオノマトペが使えないことによるダメージ?を感じることが多くなってきたので、それについて書いてみたい。
オノマトペとは?
オノマトペとは、自然の音や生き物の声、またはその状態を言語音で表現した語のことで、「実際に音が出るモノ」を言葉で表したもの。
日本人はこのオノマトペを特別意識することなく、自然に日常で使っている。
フワフワ、ワクワク、ドキドキ、ゴロゴロ、ぴちゃぴちゃ、カンカン、トントン。。。もう挙げだしたらきりがないくらい。。。
英語にオノマトペってあるの?
英語にもオノマトペは無いわけではない、のだが日本のオノマトペの方が比較にならないぐらい種類が豊富である。
例えば英語では、猫の鳴き声 → meow(ミアゥ)、犬の鳴き声 → ruff ruff(ラフ ラフ)のような感じ。
英語のオノマトペの方が、実際の音を直接的に表現しているように感じる。実際に声に出してみると、近い音がするのだ。
例えば、日本では犬はワンワンだけれど、実際にワンワンと言っているようには聞こえない。一方で、ruff ruff と声に出してみると、犬の鳴き声そのものにちょっと近い気がする。
仕事で役に立っていたオノマトペ
音響関連の仕事柄、音響デバイスが発するノイズ(雑音)が仕事で問題になることがしばしばある。
ひとくちにノイズといっても、実はいろいろな種類がある。日本で仕事をしていたときはそれらのノイズを例えば次のように表現していた。
- チリチリ音ノイズ
- パスパス音ノイズ
- サーサー音ノイズ
- プチプチ音 ノイズ
- ジャリジャリ音 ノイズ
これらノイズの特徴を表すオノマトペの威力は凄い。このノイズを実際に耳で聞いたことが無い人でも、オノマトペを聞いただけでなんとなく想像がつくのである。
そして、「あのチリチリ音ノイズの件ですが・・・」と言うだけで、何のノイズの問題のことなのか、その場にいる全員が一瞬で同じイメージを持つことができる。話がスムーズに伝わる。
オノマトペを使えないアメリカ・・
これらの表現を使うことの凄さは、日本にいたときには気が付かなかったが、ここアメリカではノイズの種類を伝えることの大変さを身をもって知ることになる。
こちらでは、多くの人がノイズの種類を伝える時に、そのノイズそのものを口で真似ようとする。そう、チリチリとかプチプチとか、便利なオノマトペが無いからである。 しかし、すべてのノイズを口で真似られるわけではないし、人によってその真似の仕方に差がある。
あるいは、ホワイトノイズの高い周波数帯域だけのノイズ、とか、ポップコーンが弾けているときのノイズ、、という説明をつけなければならない。 しかし、ポップコーンが弾けているときの音なんて、人によって受け止め方は千差万別で、同じイメージを持てるかどうかは難しいところだ。
そうすると、今何の種類のノイズの話をしようとしているかの共有が難しいのである。今日の議題のノイズは、これこれ、このノイズだ、ということをちゃんと定義して説明して共有しなければならない。 共有できたと思っていても、頭では違うノイズのことを思っていたりして、話が進まないことも多々ある。
日本だったら、「プチプチ音のノイズ」というだけで一瞬でその場で認識を統一できる。意識せず使っていたが、これは日本人が持っている特殊な感覚を最大限に活かしていた事例だったのだと、ここアメリカに来て初めて感じることができた。
オノマトペを使いこなす日本人、これはもっと誇りに持つべきだと強く思うようになってきたこの頃である。
直感
自分の経験、知識、ひらめきが形になって、世界の誰かの幸せにつながっていることを実感できた時に、エンジニアとしてこの上ない喜びを感じられる。
今週は具体的に二つほどそれを実感することができた。
その2つとも、ふとした時に頭にのぼってきた直感から広がったもの。
一つはジムでバイクを漕いでいた時。
もう一つは、オフィスの椅子に座った瞬間。